こんばんは。
今日で発売されて5年経つ曲がある。
女王蜂の売春だ。
女王蜂は神戸発の4人グループのバンドだ。
圧倒的でちょっと前衛的なルックスと
ちょっとアングラな歌詞。
メロディも幅広くロックからバラードまでたくさん。PVもかっこいい。
最近はアニメやドラマのタイアップもたくさんあり、耳にしたことがある曲もあると思う。
その女王蜂の売春は不倫ソングだ。
内容は若い女性と既婚者の男性が不倫をし、お互い別れたいけど、別れられない。
不倫を思い出にせずに、お互い共犯者でいよう、という内容だ。
バラード調の春らしい淡いメロディーと
歌詞の内容がマッチしている。
ボーカルの薔薇園アヴが一人二役で
男性パート、女性パートを歌いあげる。
PVもモノクロでシンプルだ。
不倫ソングだが言葉の使い方が美しい。
この曲に出会ったのは2年前の秋で季節も全く違うが共感し涙が止まらなかった。
売春をしたこともないアラサー女だが自己の経験を交えて解釈をしてみた。経験が少ない女の解釈なので違和感を覚える人までいるかもしれない。
私は同じコミュニティで人間関係を保つことが苦手だ。具体的に言うと職場や学校では名字+さん、で呼ばれ、プライベートの時間で職場や学校の人と会ったことがほぼない。悪口や人の嫌がることはしない、居てもいなくても変わらない全自動挨拶マシーンだ。
pepperは人生経験が多いわけでもなく、より深く人間と関わる恋愛関係に発展することは、そうそうない。性的な関係もない。
心の内を上手く話せるのはいつだって、コミュニティ外の人だった。
話を聞いてくれる、否定されない、そんな安心感からか、より内面を話す。
内面を見て、細かいところを許してくれる、そんな安心感から心を許し肉体関係を結ぶ。行為に特別な儀式やパスワード入力もいらない。
顔を知った人は腫れ物に触れるように接されるが、相手は私を知ろうと大切に触れられ、温かな手に警戒心が薄れる。湿った肌と肌が触れる。感覚が研ぎ澄まされ、自分のなかの何かを解放し、別の生き物になり、溶けそうになる。朦朧とした意識の中、誰かに求められてることに嬉しくなる。
同世代の女の子がやってることを自分もできたことはとてもほっとする。そんなこと、コミュニティ内に話せる人なんて誰もいないし自分からわざわざ傷つきたくない。
誰かが真面目な人ほど不倫にハマると話していたが、コンプレックスや悩みが深い時期に出会い、共有できたなら不倫にハマる気がする。
歌詞に報われる日々を望むなんて、厚かましいね、増すものがない淋しいね。とフレーズがある。歌詞の二人はこの関係はよくないこと、続けるだけ意味がないことを理解している。
不倫は同義に反し、誰も幸せになれない。
そんな当たり前のこと誰だってわかる。
この歌は“二人が散る春“で締められる。
この二人がどんな終わり方をしたかは分からない。せめて悔いなく別れて欲しい。
美しいメロディーとともに
桜の時期に聞くたびに泣きそうになる。
春はすぐそこだ。
二人が散る春。