こんばんは。
いつもブログを読んでくれて
ありがとうございます。
読書感想文です。読んだ本は失楽園です。内容は不倫で体の相性が良かった男女がセックスに狂い情事中に心中する話だ。
人が死ぬ話だが感動はなかった。
エロに対して上品な表現が多い。
エロ、というよりエロスってかんじだった。
失楽園の一番のポイントは
死を前向きにとらえていたことだ。
情事の幸せのセットポイントで死にたい。シワやシミが増える前に
心変りがないまま死にたい。
プリザーブドフラワーのように
美しい一瞬を留めたい。
多分そんな気持ちなんだと思う。
文章も死に対して希望を見出すように書いてあるように感じた。
死にたい、と思ったことはある。
仕事が辛くて、家庭が辛くて、
恋愛も仕事もうまくいかず
漠然とした不安にかられて。
春の柔らかな日差しで、
私という存在が溶けてほしい。
心地よい眠気のなか穏やかに
息が止まってほしい。
春は仄暗い思考になりがちだ。
人生は同じ状況は続かないそうだ。幸せなときもあれば辛いときもある。怖いぐらい幸せなら、その分、不幸をより辛く感じてしまう。嫌なことに耐えられなくなる。
幸せを持続させるために死のう。
短絡的で破滅的な考え方だが、
潔くてある種の美しさすらある。
20代、30代のときに気に入っていた音楽や考え方が年を経て心惹かれなくなる。新たに好きなものが出来る。「音楽や映画の好みが変わったら、大人になった、と思われるのに愛する人が変わったら非難されるのは腑に落ちない。」
女の発言が心に残った。
作中で、男性も女性も家庭崩壊を起こし、男性は職場で不倫の事実を公表され、辞職した。
不貞は男女ともやってはいけないことだ。家族がいるなら尚更。人を傷つける。
しかし、性に疎くて快感を知らなかった女性が、セックスにどハマりし狂う描写は、ほんの少し羨まく感じた。
男性と付き合ったことはあっても、ほっぺにキスしかしたことがない。多分高校生の方が経験は多い。周りの話についていけず、皮肉を込めてピュア呼ばわりされる。
周りに隠してはいるが、生きている分だけ性に対するコンプレックスは大きい。
コンプレックスや不快感がなくなって全てを晒け出しても安心できる場所がある。欲望に忠実になれる場所があった。相手も同じ熱度と方向性で接してくれた。
満たされたかったことをされて女性はとても嬉しかったんだろうと思う。
きっと性を満たす相手はパートナーじゃないことが多い。複雑だ。
死にたくなるほどの快感どんなものか気になるが、私の場合耐性がなさ過ぎて気絶しそう。
生きてる理由もなく、死ぬのも怖い。