アラサー女の話

朱に交われば赤くなる

花は桜、気持ちは憂鬱



こんばんは。

いつもブログを読んでくれて

ありがとうございます。




近所に大きな桜の木がある。



その木は住宅街の公園にあるが、

奥まったところにあるせいか、

花見をする人をあまり見かけない。


今の家に住んで5年近く経つ私も

花の存在に気づいたのはつい先日だ。なかなか見つけきれない迷宮のような場所にある。見つけたときは何とも言えない高揚感があった。

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桜の花は1週間しかもたないそうだ。蕾がほころび、花が散る、

そんな美しい時間を見逃したくない。大切にしたい。

この期間だけは桜を見に公園に寄る。私がすきなのは仕事終わりに見る桜だ。


午前1時、家の明かりも消え

街灯のみに照らされる桜。

夜独特の静けさと相まって

異世界に連れていかれそうな感覚に陥る。



不気味でもあるが、とても綺麗だ。死体が埋まってても納得してしまう程に。


どんなに仕事で疲れても

職場で身を清め、桜を見る。

誰もいない空間で満開の桜を

独り占めできる。

木の下に座り見上げると、

白い花がさわさわと揺れる。

手に届かない美しさを私に見せてくれる。


私を認めてくれているようでほっとする。ただぼんやり眺めるときもあれば、心のうちを桜に話しかけることもある。もちろん桜が私の悩みに答えてくれることはないし、傍からみたら不審者だ。元からトチ狂っているが尚更ヤバイ。


ただ、心が落ち着く。

職場で必死に作って、不向きな職種で心をすり減らしながらお金を得る。結婚どころか彼氏もおらず、親から人生の落伍者扱いを受ける。友達も結婚や出産など人生のライフステージを着実に進んでいく。


何もできない私は不器用に取り繕いながら生きている。


桜はそんな私を黙って受け入れてくれる。どっしりと構えてくれる。桜を見ることで少しだけ、

憂鬱な気持ちや言いようのない不安が薄らいでいく気がする。

生きるのも仕事に行くのも辛いが

桜を見るために仕事に行く、これが最近の私の目標になりつつある。


変化する桜を楽しみにしながら、

今日も桜に癒される。