こんばんは。
いつもブログを読んでくれて
ありがとうございます。
近所に大きな桜の木がある。
その木は住宅街の公園にあるが、
奥まったところにあるせいか、
花見をする人をあまり見かけない。
今の家に住んで5年近く経つ私も
花の存在に気づいたのはつい先日だ。なかなか見つけきれない迷宮のような場所にある。見つけたときは何とも言えない高揚感があった。
桜の花は1週間しかもたないそうだ。蕾がほころび、花が散る、
そんな美しい時間を見逃したくない。大切にしたい。
この期間だけは桜を見に公園に寄る。私がすきなのは仕事終わりに見る桜だ。
午前1時、家の明かりも消え
街灯のみに照らされる桜。
夜独特の静けさと相まって
異世界に連れていかれそうな感覚に陥る。
不気味でもあるが、とても綺麗だ。死体が埋まってても納得してしまう程に。
どんなに仕事で疲れても
職場で身を清め、桜を見る。
誰もいない空間で満開の桜を
独り占めできる。
木の下に座り見上げると、
白い花がさわさわと揺れる。
手に届かない美しさを私に見せてくれる。
私を認めてくれているようでほっとする。ただぼんやり眺めるときもあれば、心のうちを桜に話しかけることもある。もちろん桜が私の悩みに答えてくれることはないし、傍からみたら不審者だ。元からトチ狂っているが尚更ヤバイ。
ただ、心が落ち着く。
職場で必死に作って、不向きな職種で心をすり減らしながらお金を得る。結婚どころか彼氏もおらず、親から人生の落伍者扱いを受ける。友達も結婚や出産など人生のライフステージを着実に進んでいく。
何もできない私は不器用に取り繕いながら生きている。
桜はそんな私を黙って受け入れてくれる。どっしりと構えてくれる。桜を見ることで少しだけ、
憂鬱な気持ちや言いようのない不安が薄らいでいく気がする。
生きるのも仕事に行くのも辛いが
桜を見るために仕事に行く、これが最近の私の目標になりつつある。
変化する桜を楽しみにしながら、
今日も桜に癒される。