茶飲友達という映画を見た。
簡単にいうと高齢者の性をテーマにした話だ。
高齢者専門のデリバリーヘルス店での活動、摘発されるまでの話だった。
あまりネタバレしないようにするが、
性を扱う仕事をしていく中で、高齢女性が
だんだんと美しくなっていくのが印象的だった。
ちなみに、利用者は高齢男性で、パートナーに先立たれた人、家族の希望で施設に入った人、セックスレスの人、高齢故の悩みを抱えてる人ばかりだった。
肌はしわしわのはずなのに、男と交わる中でボサボサだった髪がつやつやとしたり、爪が短いのにネイルも綺麗にされてたり、普段着や色気のないような服から、デートに行くような服装になっていたのもよかった。何より男の下着を下ろせないような女が客の心のパンツも下ろせるようになっていた。
性を売る女たちの表情が優しくて柔らかくて全てを包み込むような印象を受けた。タイマーがなかったら本当のパートナーのようであった。加齢や人生経験がそうさせてるのかと感じた。
正直高齢者の性に関して考えたこともなかったが人間だから多かれ少なかれ欲求はあるだろう。そして、欲求とフィジカルがあってない人もいるのかな、なんて。高齢者もみんながみんなベランダで日向ぼっこしたいわけじゃないんだろうね。
結婚や離婚、子どもの有無の話は盛り上がるが性の好みで盛り上がるわけじゃないしね。性欲や性の好みの話は人を選ぶし、一生話せない人もいるかもね。
茶飲友達のキャスト(性を売る高齢女性)たちもそれぞれに依存症の人もいたり、本番行為をしてしまう人もいた。死の匂いがだんだん濃くなることへの寂しさとか生きる悲しみや辛さを若者以上に感じ取りながら生きてるのかもしれないと感じた。
売春を斡旋する側の人たちにもそれぞれが
問題を抱えていた。結局当事者同士が向き合うしかないし、うまくいくわけでもなかったが。
最後に性を売ってた女が
「何もないよりもマシでしょ。」と言った。
この言葉に全てが込められてるような気がした。性を売る行為に虚しさや後ろめたさがあっても、寂しさをずっと抱えたまま死ねないまま生き続けるのは辛い。
自分が女性用風俗を使ったときも、そんな感情が混じっていた。生活圏の異性と関わってもなんにもないし、このままもやもやとした気持ちがつづくのであれば使った方がいいと本気で思った。
この映画は実際にあった事件を基に作られたそうだ。
生きれば生きるほど、生きる悲しみが追いかけてくるし、寂しさや孤独も大きくなるだろう。ルールから溢れる人もいるだろう。
茶飲友達は道義的に違法だったのかな。
そう思わせられる映画だった。