アラサー女の話

朱に交われば赤くなる

大塚国際美術館に行った話



2年ぶりに旅行をした。



大塚国際美術館だ。

米津玄師が紅白出場したときに、

歌ったことで有名になったので

知ってる人も多いと思う。



システィーナ礼拝堂の壁画は大きかった。

絵に圧倒された。

f:id:tnyanya:20211230224239j:plain

解説によると、聖書をモチーフにしてるそうだ。

アダムとイブの誕生や、楽園の追放

ノアの箱舟のシーンなど

原作ノータッチで

2次創作しか触れたことなくても

なんとなく想像がついた。




最初、この美術館の存在を知ったとき、

「偽物の絵しかないの?」と思ったが

陶板で作られているため、

色褪せることもない。

時代によっては絵が消失したり、

原型が奪われることもある。

日本の首里城が復元後に燃えたように。


また、各国の絵が日本に集まり、

日本語で解説付。絵の解釈や見方もわかる。

3年ほど前から行きたかったが、

コロナで行けなかった。

たまたま仕事の休みもあい、

コロナの感染者も少なくなったので

思い切って訪れることにした。


夜行バスに乗り、バスを乗り継ぎ

美術館に向かう。

どこかで見たことのあるチェーン店や

田園風景が続いたが

景色の中に「徳島」「鳴門」と文字が見え、

ちゃんと別の土地にいることを感じさせる。

ぼんやりしてるうちに美術館に着いた。


ネットで事前にチケットを購入し、

スマホを見せてすぐに入る。

展示によっては1時間待ちもザラだが

そんなことなかった。

5000人以上が一挙に観覧できる美術館だ。

廊下に書かれた順路に沿って移動する。

修学旅行や社会科見学の生徒もいたが

高齢者、時には大学生ぐらいの若者もいた。


絵は古代から現代まで時系列ごとに、

合計で4階ほどの建物に

エレベーターで上に登れば登るほど

現代に近づくように展示されている。


画家の展示だと、画家の人生や

価値観がわかるが、時代ごとに並べられると

その時代のトレンドが分かりやすかった。

また、中学校の資料集でみたことある絵も

多い。そうじゃないものも多いけど。

絵に詳しくなくても楽しめた。


美術館は絵だけでなく、

壁画や洞窟の絵なども再現していた。

壁独特の冷たい空気感や

洞窟の閉塞感なども。

また、モネの睡蓮を壁画や

ガーデニングで表現もしていた。


1番驚いたのが、

ゴッホのひまわりだ。


各国にある7枚のひまわりが

一つの部屋にまとまっている。


某探偵アニメの映画の題材にもなった。


ひまわりは、ゴッホ

フランスの黄色い家に住んだ時に

描いた絵だ。

元来暗めの絵が多かったが、

ひまわりは明るめの絵が多い。



ブルーの壁に生命力溢れる黄色の向日葵

コントラストとエネルギーがあった。

コートを着てたはずなのに

夏のような気分になった。

7枚同時に見れるので、

解説文を読みながら絵を比較する。

同じように見えてちょっとずつ違った。


また、部屋にはラベンダーの混じった

匂いがした。

この匂いがエネルギッシュで

部屋と絵の雰囲気にあっていた。

もし、絵が本物だったら、管理上

出来ないだろう。


陶板だからこそ、だろう。




一人でさっさと見ても2時間はかかる。

お目当ての絵を見てから、

他の絵を見るもよし。

全部回ってから気に入ったところに

戻るもよし。

1日なら再入場ができるので

鳴門公園で渦潮を見て、

絵を見るもよし。

中学校の美術館の資料集を見ながら

絵を見るもよし。


いろんな楽しみ方ができる。



正直、入場料に3000円以上は

美術館の料金としては高価だ。

しかも、アクセスも悪い。

しかし、それだけの価値はある。


視覚だけでなく、材質の空気感や

自然や匂いなど

五感をフルに使って

感覚を呼び覚ますような美術館だ。


アクセスが悪いのに人が来るのは

魅力がある場所、と証明じみた場所だった。



また行きたい。