アラサー女の話

朱に交われば赤くなる

数年前、私のクローゼットは葬式会場だった。


こんばんは。

いつもブログを読んでくれて

ありがとうございます。


毎回タイトルつけるの苦手で

誰かつけてほしいレベルです。

ブログタイトルも変えたいけど、

いいのが思いつかない‥。


エロい話じゃないよ。

暗さ控えめ。


私は小学生後半から中学生にかけて15キロぐらい太った。

当時の体重をBMIでいうと24。肥満傾向。運動系の部活でほぼ毎日走ったけど、それでも体重は増えていった。

持ち前の食欲に相まって成長期独特の食欲。見た目も気になってたけど、食欲のほうがいつも上回っていた。どんなに怒られてもお菓子を食べるのはやめられなかった。


部屋の机の引き出しに菓子を隠し持ってた。親からブチ切れられて

お菓子を隠せないように机の引き出しをボンドで接着して開けられなくされた。

お正月、親戚との集まりでオードブルを食べてたときに「食べすぎ。」と箸進めてた手を叩かれ親から怒られた。


とにかく太っていた。


貴重な休みの日でもダイエットのために父親とランニングや運動をした。母親も揚げ物を控え流行っていたにがりを飲んだ。

両親はみるみるうちに痩せたが私の体は大きくなるばかりであった。


あるとき父親の職場の社員旅行に行くことになった。いつも制服か部活のジャージしか着てなかったが、旅行はそうはいかない。


親としまむらに服を見に行った。

子供ながらにパステルカラーやレースや可愛いデザインが好きだった。沢山試着したがタプタプと服から肉が溢れる私を見て母から「あんたは黒の服を着なさい!他の色は太って見える!黒は痩せて見えるから!太ってる人は黒をよく着るよ!」と黒い、肉がはみ出さないゆるい服を勧められた。


幼い私は『黒は痩せて見える万能カラーなんだ‥。』と感心する一方で『太ってたら黒以外の色は着れないんだ‥。』と素直に感じた。それから私は黒い服や暗い色の服を着るようになった。淡い色の服は痩せてる人しか着れない、どんなに好きなものがあっても暗い色じゃないと着れない。呪いに近いものだった。


大学生になって制服を脱いだ私は、自分で洋服を選ばざるを得なくなった。当時もそこそこに太っていた。親の教え通り黒い服ばかりを選んでいた。体型が隠れるデザインを探した。

大学に入ると雑誌から出てきたような女の子がたくさんいた。手足が細くて顔も小さい。みんな赤やピンク、水色、着てる洋服がカラフルでキラキラしていた。


あるとき友人から「いつも黒ばっかだね。」と言われた。そのときはやり過ごしたが家で恥ずかしくて情けなくて、いたたまれなくて1人ボロボロ泣いた。泣きたくない、辛い思いをしたくない。ダイエットをした。高校時代に読んでいた参考書がファッション誌に変わり少しずつ明るい色の洋服を選ぶようになった。


中高生のときにあんなに痩せなかった体重が大人になって減っていく、タプタプとした肉が少なくなっていく。純粋に嬉しくてダイエットに励んだ。痩せていくとボディラインが出る服を着たくなった。大学生になって初めて、膝上のスカートやショートパンツ、パステルカラーの可愛らしい服を着た。お世辞にも可愛い顔ではないが鏡に映る姿を見て1人にやけた。人並みに服を選べるようになった。


今だに黒い服を見ると『黒=デブ隠しの色』という認識だ。痩せてパステルカラーの洋服を着るようになって、『淡い色は痩せて見えないけど、肌になじむ。』『顔の柔らかい雰囲気を邪魔しないんだな。』そんな風に捉えるようになった。



今の私のクローゼットはパステルカラー、アースカラー数着の黒い服。

クローゼットは葬式会場じゃない。もっと自分が好きな色で埋めていきたい。



メルカリにいらない服を出品しながらそう思った。