アラサー女の話

朱に交われば赤くなる

弾丸のように出雲大社へ向かった話

 

 

実は10年以上前から行きたかった場所だった。

休みを奪われる前に奪いたかったとか

日本海側の景色を見たかったとか

縁結びの神を参拝してみたかったとか

様々な欲望と下心が渦巻き、

突発的に計画したものだった。

 

旅行当日にチケットを予約するだなんて

初めての経験だ。

 

夜行バスに乗りこむ。

淡い青い光がバス内を淡く照らす。

友達と旅行で行った京都の喫茶店ソワレを

思い出した。

新鮮で、でも懐かしくて。

爆睡できるように験担ぎに

ヤクルト1000を飲み

ブラホックを外し服を緩め靴を脱ぎ寝た。

 

 

バスのトイレ休憩でSAに寄ると地面が白い。

ふかふか、シャクシャクとしている。

雪が積もっていた。

「ねる前にいた場所じゃない」と

旅気分にギアが入る。

朝になり、島根県に本格的に上陸していた。

駅が地面が白く染まっている。

雪なんて見ないので

テンションが上がり写真を撮りまくる

コンピニのドアが二重だったり、

出雲大社へ向かうバスに乗った女子高生がダウンやスカートの下にジャージを着てるのもとても新鮮だった。

バスにゆられ、出雲大社に着く。

女子高生の通学時間帯だ。ほぼ観光客はいない。

門前でギャルピースをしたり、SNSで見た流行りのポーズを真似し自撮り棒を駆使して自撮りしまくった。

鳥居をくぐり中に入ると、松の木が出迎える。

手入れもされていて大きく、美しくて、でも作り物みたいな冷たさはなくて、すごいと思った。

ずんずんと進み、しめ縄の前で写真をとった。

全然しめ縄大きくないやん、と思った。

 

手を清めおまいりをする。神が集う場所というだけあり、大社内は広い。調べるうちに知ったのだが、スピリチュアル界隈で出雲大社に行けない人もいたり、気分が悪くなる人もいるそうだが、そんなことはなく、威圧感はなかった。

神様の集合住宅なのだ。お参りしていくうちに願いが増えていく。神さまも専門分野あるよね!とうどんのトッピングのように様々なお願いを追加していた。

追加していったからか途中で雪が降り出した。

境内裏のうさぎの像に癒され、写真を撮りまくる。雪と大社のコントラストが美しかった。

おみくじを引く。出雲大社のおみくじはそもそも吉とか凶とか書いてないそうだ。解釈は人次第ってことなんだろう。

書いてある内容もまあまあだったで、テンションもあがる。おみくじの項目に「通信」とあり、最近の神様はSNSチェックもしてるのかなと感心した。

 

 

 

朝ごはんを食べてないのでを名物の出雲そばを食べるため、店へ向かおうとする。

 

向かう途中にとてつもなく大きなしめ縄がある。

どう見ても明らかに巨大すぎる。

調べてみると最初に見たしめ縄は楼門のしめ縄で、有名な大しめ縄は今私が目にしてるものだった。

たまたま道を変えたから見つけられたけど、

昔古文で習った岩清水八幡宮みたいだな、と

ちょっと笑った。有名な大しめ縄の前でもちろんギャルピース写真撮った。

 

名物出雲そばを食べる。

 

 

 

3段小さな入れ物が重なってそれぞれ薬味が付いていたが、ツルツルいける。麺の味も濃く柔らかい。そば湯がおいしかった。

 

稲佐の浜まで歩く。国譲りの交渉をした場所らしい。10月に出雲に神がやってくるところらしい。ここでもバシャバシャ写真を撮る。

 

 

そばを食べたばかりだが

お目当ての海鮮丼を食べたいので食べた。

 

名物のぜんざいも必須なので、

ネットで調べて気になったところへ向かうが‥

どこも人が多かった。

 

小学生の時に全国のお雑煮を調べてた時、島根はお雑煮がぜんざいのような甘いものだった。「島根県いいじゃーん私も島根のお雑煮食べたい」と親に言った覚えがある。

理由は知らないが、ぜんざいが有名みたいだ。

 

直感を信じ人がいないぜんざい屋へ行く。

そこがまた大当たりだった。

暖かな照明、薪ストーブ、手入れされたお庭

外の寒さを忘れさせるぐらいだ。

もちろん味も美味しい。

焼き餅もおいしいし、塩昆布の塩味が

あずきの甘さを引き立たせて甘じょっぱい。

第一志望ですらなかったけど、行ってみたら

気にいるって人生あるあるじゃん。

出雲大社の神は

そんなことを言いたかったのかもね。

 

お土産を買い、日本海側の海を眺める。

白い波飛沫、茶色い屋根の家、ゴツゴツとした岩場、雪が積もるような冷たさ。

どれも見慣れないけど、こういう海がおいしい蟹を育てるのかな、なんてね。

 

ちゃっかり、蟹の駅弁も買った。

 

海はどれも同じ水なのに、土地によって全然顔が違う。山や神社に行ったときもそう感じたが、自然も土地によって違うのだと改めて感じた。

 

 

 

 

ネットで調べたら神社の参拝中に雪が降るっていうのは再生・浄化の意味があると書いてる人もいれば、神社が歓迎したくないサインと書いてる人もあり、賛否両論分かれている。

 

 

 

神のみぞ知るんだろうね。