青森に旅行することにしたので、恐山にも行くことにした。家から青森まで乗り換え含め10時間近くかかる。海外の方が早いかもしれない。しかし、青森に行くチャンスなんて滅多にない。
恐山は日本三大霊場で風車がクルクル回ってるとかイタコしか分からない。
青森市内から3時間以上かけて向かう。交通機関の便数も少なく、乗り換えも多い。通勤・通学時間帯に移動するが、乗り換えでだんだんと人が減る。残ったメンバーは恐山行きでのバスで見かけ、少数先鋭みたい。顔を見るとなんだか安心した。霊場は免許センター以上にアクセスが悪い。免許も霊場もすぐに行ける距離だとありがたみが薄れちゃうのかもね。
恐山に向かうバスで恐山のエピソードが流れる。途中で若返りの水スポットがあり、わざわざ停車してくれる。サービス精神旺盛だ。
記念に若返りの水をたくさん飲む。
‥これが大変なことになるとは知らずに。
恐山に着いた途端、硫黄の匂いが立ち込める。活火山だけあって匂いはずっと続く。
恐山に入りすぐの場所に小さな小屋がある。
恐山温泉だそうだ。
もともと参拝する前に体を清める意味もあったらしい。ちょっと古い見た目だが、お湯に浸かると体がツヤツヤになる。硫黄の匂いがした。
体も清め、参拝する。
写真を撮ったりもしたが
一回りするのに2時間かかった。
なかなか伝わりにくいが、
恐山自体が大きいのだ!
白い岩や石があり、
ところどころにお地蔵さんや
参拝者の風車やミニ地蔵がある。
白い岩や地面、青い空、赤やピンクの風車。
地獄の色と言われたら
ダークカラーを連想するが、そうではない。
眩しい色だと上手く目も開けられなくなる。
明るい色だから安心するわけでもない。
地獄は眩しくて見えないような闇なのかも。
白い岩をよく見るとたまにお地蔵さんもいて
なんだかホッとした。
よく見ると湯気がもくもく上がっている。
活火山なだけあって火山活動している。
ガスの関係でタバコや蝋燭や線香など
火の取り扱いも限られた場所のみだ。
亡くなったばあちゃんやじいちゃんも
ここに来たのかな?
高速ズーズー弁で門番に質問されて
ちゃんと答えられたかな?
ニュアンスで答えたりしたのかな?なんて
ぼんやりと考えていた。
水をたくさん飲んだら、トイレに行きたくなる。若返りの水でも水分を摂ればトイレに行きたくなる。何を言いたいかというと、参拝中に尿意に襲われた。トイレに行きたいが、山が広くてトイレの看板を見つけるだけで精一杯。なんとかトイレの看板を見つけて歩けど歩けど
荒涼とした白。トイレどこ?トイレどこ?と探しても荒涼とした白。色んな意味で地獄だった。
スピリチュアルと言われたらそれまでだが、
土地のエネルギーがものすごく強い気がした。
自然が豊かなところや神社の澄んだ気持ちになる感覚ではない。
天気はいいし穏やかだけど、なんだかカオスだった。生きてる人や亡くなった魂、間違ってやってきた魂などがいると言われてもなんだが納得できる。
活火山の地獄、極楽浜の天国、ススキや紅葉した葉っぱの四季。ジャンルが違うものが混在しても壊れないような、懐の広い場所だった。
蜘蛛の糸のような黒いぐちゃぐちゃしたものを
地獄だと思っていたが、地獄って色んなジャンルがあるんだね。
恐山の売店で山菜そばを食べた。
恐山を降りて硫黄の匂いで少しだけ気持ち悪くなり、連日の早起きで体がクタクタだった。
下北駅へ向かうバスでぐうぐうと寝ていた。
下北駅の近くの土産屋でヒバの香りを嗅いだら
頭がシャキッとし、気持ち悪さが軽くなった。
恐山の周りにヒバがもともと生えてるが、
このヒバがあるから恐山の荒涼さやカオスさ、
現実離れした雰囲気を引き立たせてるし、
変な魂が入らないのかもね。
恐山のあの世の地獄の風景と極楽は令和のAI技術やVRでも絶対に再現できないだろう。
これは断言できる。
霊感はないけど、恐山に幽霊や何らかの魂がいる、と言われても納得できる。
恐山行くまでに時間かかったけど、行く価値ある場所だよ。