生花を買った。
正直、生花を買うのは敷居が高かった。
花なんてセレモニーのギフトぐらいしか馴染みがない。花自体高い、花の配置やバランスが分からない、花を枯らさないように水を入れ替えるなど面倒くさそうだった。
意識高い人がこぞってやる行為な気がした。
しかし、コロナ禍でセレモニーが減少し、
生花が売れないと聞いたのを思い出した。
生花店を応援する、だなんて大それたものではないが、やったことないことをやりたくなった。
花瓶は100円ショップの透明なグラスで代用し、生花店でガーベラを買った。ピンポンガーベラというモフモフした新種。色はピンク系。お値段2輪で330円。お手軽だ。
ガーベラ2輪を部屋に飾っただけで
部屋が春めき華やかになった。
また目につくところに置いたら
心が穏やかになった気がする。
元々部屋が散らかりがちだが、
「ガーベラが似合うような空間にしたい」
そう思い、机の上の整理整頓、不要な紙の処理、カーペットのコロコロがけが苦でなくなった。今度は机が綺麗になると、物を広げたくなくなり、机が散らからなくなった。
割れ窓理論というものがある。
割れたガラス窓を1枚でも放置していると複数枚ガラスが割れ、街自体が荒廃してしまう。という犯罪心理学論だ。
ここでいう1枚の割れたガラス窓はすぐに片付けられるもので、それを放置すると机が散らかる‥‥残念ながら理論に当てはまっていた。
1つの綺麗なものがあると、綺麗なものに合わせて周りを綺麗にする。
逆割れ窓理論だ。
花を飾って10日近く経つが、
ちょっと色褪せてグラデーションに
なってるのも綺麗だ。
まさか花を飾るだけで部屋が綺麗に
なるだなんて思ってなかった。
次に飾る花のことを考えるのは
楽しくて、春が待ち遠しい。