タイトルの通りだ。
この映画は4人のライフステージが異なる
女性が出てきてそれぞれの苦悩を描いていた。
映画の部屋の設定など、小道具など手の込んだものだったし、誇張された部分もあったが、リアルな面も多かった。
心に残ったシーンで
パパ活女子とコスメについてだ。
作中ではジルスチュアートのコスメを
パパ活女子の象徴のような扱いだった。
ジルスチュアートのコスメは
姫のような可愛らしいパッケージ、
価格もデパコス界の中でも、
手を出しやすい、そんな認識だ。
パパ活絶頂期は
ジルスチュアートのコスメが
綺麗に陳列された状態で写っていた。
また、リップを塗り直すシーンや
パパ活で危険な目に遭ったときも
リップをぎゅっと握りしめるシーンなど
ジルスチュアートのコスメを使わないなど
作中で、
コスメと心情がセットで映っていた。
パパ活はおろか、港区に行ったこともないが、共感できた点もあった。
それは、
お守りがわりにコスメを持ってたことだ。
職場に馴染めていなかった。
また、若手あるあるだが、ドリンクの確認
上司への会話の相槌、
服装やメイクなどオシャレすぎると
後で嫌味を言われる、
仕事で飲み会がとても憂鬱だった。
ちょっとだけ背伸びして買った
YSLのピンクコーラルのリップを塗って
武装する気持ちで飲み会を過ごしていた。
馴染めていない、会話についていけない
首振り人形のように首を振り笑顔を作る
何回見ても進まないiPhoneの時間。
こっそりバッグを持ち出しトイレへ行く。
トイレでYSLのリップを取り出して握ったり
剥がれ落ちそうなリップを塗っていた。
プライベートで職場の集まりは
相変わらず苦手だ。
コロナ禍で集まりがなくなった、
リップメイクを気にしなくなった。と言えばそれまでだが、
コスメに気持ちを込めたり、
縋らなくなった。
コスメはあくまでも、「化粧品」で
「お守り」ではなくなった。
数年前のことなのに、
そんな気持ちがいつのまにか消えた自分に
驚き、新鮮だった。
コスメは好きだし、嫌なことや苦手なことも
数年前より減ってるわけじゃない。
「自分の機嫌を自分で取れる」ほど、
アンガーマネジメントもできない。
慣れだろうが客や周囲から嫌味を言われても
適当に対応するのは上手になった。
よく、「大人になったら、
喜怒哀楽が鈍感になる」だという。
もう少し先の話だと思ってたが、
自覚をしないうちに、心の繊細さや脆さが
形を変えていた。
独身でライフステージは変わってないように見えても実際は違った。
忘れかけた気持ちに触れられた。
どの立場で生きるとしても、
自分が選んだことに誇りをもって
たくましく生きていきたいな、
なんだか、元気になった。